2010 Fiscal Year Annual Research Report
高分子系高強度繊維の繊維方向直接圧縮試験方法の確立
Project/Area Number |
21760083
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Research Institution | Toyama Prefectural University |
Principal Investigator |
堀川 教世 富山県立大学, 工学部, 准教授 (10363871)
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Keywords | 単繊維 / 圧縮強度 / マイクロ材料力学 / フォトリソグラフィ技術 |
Research Abstract |
本研究の目的は高分子系高強度繊維の繊維方向直接圧縮試験法を確立することにある。単繊維の圧縮強度試験法の提案に際して重要なことは、他の試験方法と比較して得られる強度値が安全側か危険側かを調べる必要がある。もちろん繊維本来の特性で、試験方法により強度値が逆転することも考えられるが、少なくとも本研究で対象としている繊維(高分子系繊維の中でも最も強度が高い繊維)については把握しておく必要がある。そこで、今年度は従来から行われている圧縮試験法(ループ試験法)と本研究で提案した圧縮試験法を用いて単繊維の圧縮強度評価を行い、これを比較することによって、本研究で提案した圧縮試験法の位置づけを行った。その結果、本研究で提案した圧縮試験法で得られる強度値は、従来からの試験法による値よりも低く、低強度側すなわち安全側の値を示すことが分かった。この理由については、ループ試験法では繊維をループ状に変形させ、圧縮損傷が発生したループの曲率から圧縮強度を計算するが、圧縮弾性率が不明なため引張弾性率を使用していることから、過大評価になっていることが考えられる。その他の圧縮試験法には樹脂埋め込み試験法があるが、文献による比較になるが、いずれも本研究で提案した圧縮試験方法の強度値は安全側の評価になっていることが分かった。 他の高分子繊維に対する本試験法の適用可能性についてであるが、圧縮試験片を作製する際にフォトリソグラフィ技術を使うが、そこで使用する薬品により繊維が劣化するため耐薬品性の低い繊維は適用が困難であることが分かった。
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