2010 Fiscal Year Annual Research Report
砥粒分布および研削条件の精密制御による高脆性材料の超精密鏡面研削
Project/Area Number |
21760093
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
吉原 信人 岩手大学, 工学部, 准教授 (80374958)
|
Keywords | ナノ精度研削 / 極微粒ダイヤモンド砥石 / 石英ガラス / 精密分級 / 精密分散 / 均一性 |
Research Abstract |
石英ガラスは良好な光の透過特性,耐熱性,耐食性を有するため,光学材料として注目されている.しかし石英ガラスは高脆性材料であり容易に脆性破壊が生じるため,研削により鏡面に仕上げることが困難である.そのため現在,梨地面状態で後の研磨工程に供給されている.その結果,研磨工程の長時間化,形状精度の劣化などの問題が生じている.そこで本研究は,石英ガラスの鏡面研削を実現し,高能率で超精密の石英ガラス製非球面レンズを加工することを目的とする. 平成22年度においては,平成21年度に引き続き石英ガラスの傾斜研削を行った.その結果,砥粒粒径分布のばらつきが大きい場合,最大砥粒切込深さが臨界切込深さを越えて,脆性破壊を生じさせる可能性があることが明らかとなった.この結果から,さちに分級精度を高める必要があることがわかった.そこで分級器内における粒子の流動解析を行い分級器の設計を最適化した.その結果,分級精度を高めることに成功した.また分級した砥粒および結合剤を用いて砥石を製作し,同砥石により良好な研削面が得られることを確認した. さらに石英ガラス研削時に研削面表層に発生するクラックが仕上げ研削の工程においても除去されることなく,進行すること現象を確認した.このクラックの進行を阻止する方法として炭酸ガスレーザにより石英ガラス表面のクラックを閉じる処理法を新たに提案し,その有効性を確認した.この炭酸ガスレーザによる処置と新たに開発した砥石を使用することにより,さらなる研削面の平滑化が期待される.
|
Research Products
(5 results)