2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760101
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
柿沼 康弘 慶應義塾大学, 理工学部, 専任講師 (70407146)
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Keywords | 機械加工 / 切削加工 / ナノ・マイクロ加工 / 粘弾性材 / 高分子材料 / ガラス転移点 / 切削メカニズム / エンドミル加工 |
Research Abstract |
短時間で高精度な3次元微細流路を持つマイクロ流体チップを製造するために,粘弾性高分子材料の物理的・化学的特性の観点から,PDMS基板をガラス転移点以下に冷却し,ガラス状態で延性モード切削する極低温マイクロマシニング法を開発した,最終年度は,弾性高分子材料の低弾性を活かし,予変形した状態で極低温冷却し加工を施す予変形援用極低温マイクロマシニング法の開発に取り組んだ.以下に得られた成果を以下に記す. (1)予変形加工の基礎特性評価と応用 予変形加工を行うための専用治具を設計・試作し,加工試験を通して,実加工形状の評価および形状精度の評価を行った.曲げ変形とドリル加工を組み合わせることで曲がり穴の形成,引張り変形と溝加工を組み合わせることで工具径よりも幅の狭い微細溝の形成を可能とした.リソグラフィー技術や型成形では不可能である曲がり穴や機械加工の限界を超える微細加工が可能であることを示した. (2)3次元複雑流路を有するPDMSマイクロ流体チップの試作と評価 フォトリソグラフィーでは加工が難しい3次元形状の溝を施したPDMSのマイクロ流体チップを提案手法により試作し,蛍光粒子を用いて流れを観察するマイクロPIVなどの流体センシング技術により,試作チップの評価を行い,本手法の実用可能性を検討した.気液や液液界面を形成可能なマイクロ流体チップを製作することができ,本手法がマイクロ流体チップの製造プロセスとして実用できることを示した. 上記の成果は,学術論文1編,招待講演1編,国際学会講演論文1編で発表した.
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Research Products
(4 results)