2010 Fiscal Year Annual Research Report
ボールエンドミルを用いた同時多軸制御加工よる表面凹凸の配列制御
Project/Area Number |
21760105
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Research Institution | Tokyo Metropolitan College of Industrial Technology |
Principal Investigator |
松田 礼 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (30469580)
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Keywords | 機械工作・生産工学 / 表面凹凸 / ボールエンドミル / 多軸制御加工 / マシニングセンタ / 精密部品加工 |
Research Abstract |
ボールエンドミル加工によって表面に形成される凹凸を対象とし,同時多軸制御加工によって形成される表面凹凸の配列を制御する手法の確立を目指した.本研究では,次の3点について研究を進めた.1.平面加工時の凹凸パターンを解析するために切削痕を球面で近似する手法を提案した.検証の結果,切削痕の送り方向の幅は偏心量と工具傾斜角度の正弦成分に比例して増加すること,工具刃先の曲率半径が同じ場合,工具1回転あたりの送り量を小さくすると切削痕の幅は偏心量の影響を受けにくくなることを示した.球面近似による凹凸パターン予測と実験結果は概ね一致し,提案手法の妥当性を示した.2.立て形マシニングセンタのテーブル上に傾斜ジグを介してNC円テーブルを設置し,円筒の工作物に沿って同時3軸制御(直進2軸+旋回1軸)と同時4軸制御(直進3軸+旋回1軸)による一方向送りの螺旋経路の加工を行なう切削実験を行った.その結果,同時3軸制御加工では,直進2軸の送り速度と旋回軸の回転速度を合成した速度を調整することで切削痕の幅を制御できることを明らかにした.同時4軸制御加工では,工具1回転あたりの送り量が比較的小さければ,切削痕の幅は計算値に近づくが,一定の法則を見出すには至らず,今後の課題となった.様々な条件を検証した結果,従来は切削痕の送り方向の幅は偏心量と工具傾斜角度に依存することが明らかとなっていたが,旋回軸が加わる場合,直進軸との相対速度も考慮する必要があると予測されるため,継続して原因を追究する予定である.3.パッチ分割切削法を曲面加工に拡張し,任意形状・寸法の三角形パッチ内部にカッタマーク列を整列する手法を考案した.隣接する工具経路間の位相差を一定とすることで,曲面を平面の三角形パッチ群で近似した際の任意形状の各パッチ内部に,整列したカッタマーク列を形成することができることを明らかにした.
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Research Products
(3 results)