2010 Fiscal Year Annual Research Report
硬質相含有アルミニウム合金の低摩擦・耐摩耗表面創製法の開発
Project/Area Number |
21760110
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
宮島 敏郎 福井大学, 工学研究科, 助教 (60397239)
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Keywords | トライボロシー / 表面創製 / 摩擦 / 摩耗 / アルミニウム / 高Si含有アルミニウム合金 / Al / ウェットブラスト |
Research Abstract |
高Si含有アルミニウム合金上に、平均粒径約1μmの固体粒子と純水を混合したスラリー液を圧縮空気によって高速に噴射するウェットブラスト法によって、アルミと硬質部のSiの除去率差により表面に凹凸形状を創製する研究を行った。本年度は、昨年度の結果からスラリー加速空気圧を0.2MPa、ステージ送り速度を1mm/s、投射角度を90度に固定し、投射回数の影響を研究した。その結果、投射回数2回の時が最もSi部分が突出し突出量は0.27μmになること、さらに投射回数を増加させると、Si部分の突出が無くなり、窪んだ状態になることが明らかになった。また、投射角度を45度に変化させ、前述と同様の条件で試験したところ、突出量の減少は見られなくなり、投射回数の増加に伴いSiの突出量が上昇することが明らかになった。 また、高Si含有アルミニウム合金にウェットブラストを施した面が摩擦に与える影響について研究した。ウェットブラストには、上記で使用した平均粒径約1μmの固体粒子と、比較のために平均粒径40μmの固体粒子を使用した。その結果、平均粒径約1μmの固体粒子でウェットブラスト加工した面では、ウェットブラストを施していない研磨面や、平均粒径40μmの固体粒子でウェットブラスト加工した面よりも、低摩擦を長く維持できることが明らかになった。また、平均粒径40μmの固体粒子でウェットブラスト加工した面は、摩擦開始時から摩擦係数が高くなることが明らかになった。以上のことから、ウェットブラスト加工を施す優位性や、ウェットブラスト加工の試験条件が表面形状及び摩擦に与える影響が大きいことが明らかになった。
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