2010 Fiscal Year Annual Research Report
コンプライアントメカニズムに基づく自動車サスペンションの最適設計法
Project/Area Number |
21760115
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
小林 正和 豊田工業大学, 工学部, 准教授 (40409652)
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Keywords | 機械要素 / 設計工学 / 構造最適化 / コンプライアントメカニズム / 自動車 / サスペンション / トポロジー最適化 |
Research Abstract |
近年,機械構造物の柔軟性を積極的に利用した新しい機構としてコンプライアントメカニズムが注目されている.コンプライアントメカニズムは通常の機構と異なり,ジョイントの代わりに構造物の柔軟性を利用することにより,一体型の構造で機構の機能を実現する.本研究では,コンプライアントメカニズムの新たな適用対象として,自動車のサスペンションに注目し,コンプライアントメカニズムに基づくサスペンション=コンプライアントサスペンションの設計法の確立と,その有効性の検証を目指す. 本年度は,(1)コンプライアントサスペンションの実験環境の構築,(2)コンプライアントサスペンションの振動特性の評価,(3)コンプライアントサスペンションの振動特性の最適化の3点について研究を進めた.(1)では,昨年度製作したプロトタイプを用いて,コンプライアントサスペンションを含む自動車システム全体を評価するための実験装置の構築を行った.(2)では,数値解析と(1)の実験装置を用いた実験によってコンプライアントサスペンションの振動特性を評価した.その結果,従来の振動特性を考慮していない設計法を用いて設計したコンプライアントサスペンションは自動車サスペンションに求められる振動特性を必ずしも満足しないことが明らかになった.また,数値解析と実験においてほぼ同様の結果が得られており,構築した実験装置の有効性が確認された.(3)では,(2)で明らかになった課題を解決するため,振動特性を最適化の目的関数として扱えるように設計法の拡張を行った.しかしながら,まだ十分に検討出来ていないため,来年度も引き続き検討を行う.
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