2009 Fiscal Year Annual Research Report
非ニュートン流体乱流のラージエディシミュレーション解析法の研究
Project/Area Number |
21760122
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
太田 貴士 University of Fukui, 大学院・工学研究科, 講師 (10273583)
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Keywords | 非ニュートン流体 / 壁乱流 / 直接数値シミュレーション / 乱流変調 / 乱流モデル / ラージエディシミュレーション |
Research Abstract |
平行平板間の発達した乱流場を対象にした直接数値シミュレーション(DNS)を実行した。そこで、発達した乱流場における低速ストリークと縦渦に対する界面活性剤の影響が、先の研究で示された結果と一致することを確認した。さらに、非ニュートン流体における縦渦の特徴を明らかにするために、ニュートン流体と非ニュートン流体の場合の乱流統計量を比較した。そして、以下のことを明らかにした。 ニュートン流体と非ニュートン流体の場合で、低速ストリークの維持機構が異なる。そして、ニュートン流体の場合の低速ストリークが維持される機構には、低速ストリークの発生により、二次的に発生した縦渦の存在が大きく関わっている。しかし、非ニュートン流体においては、縦渦との関わりが、ニュートン流体に比べると小さい。また、非ニュートン流体の場合では、ニュートン流体の場合と比べて、主流方向の速度変動強度が大きくなり、逆に、スパン方向と垂直方向の速度変動強度は小さくなる。以上より、発達した乱流場においても単独の低速ストリークと一対の縦渦を発生させた場合と同様の現象が起きている。すなわち、非ニュートン粘性が縦渦に作用して、その影響から、主流方向の速度変動強度が大きくなっていることが考えられる。 これに対して、ラージエディシミュレーション(LES)によるニュートン流体と非ニュートン流体の場合を比較すると、既存のLESによる計算では、乱流統計量において主流方向の速度変動強度がDNSと異なる傾向になった。これより、LESでは、特に非ニュートン粘性に注目する必要があることを示すことができた。そして、本研究の初年度において、既存のLESモデルによる計算結果の問題点とそれに基づく新たなLESモデルの必要性を明らかにした。
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