2011 Fiscal Year Annual Research Report
非ニュートン流体乱流のラージエディシミュレーション解析法の研究
Project/Area Number |
21760122
|
Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
太田 貴士 福井大学, 大学院・工学研究科, 講師 (10273583)
|
Keywords | 非ニュートン流体 / 壁乱流 / 直接数値シミュレーション / 乱流変調 / 乱流モデル / ラージエディシミュレーション |
Research Abstract |
非ニュートン流体のためのラージエディシミュレーション(LES)解析法を開発するために、チャンネル乱流の直接数値シミュレーション(DNS)を実行し、非ニュートン流体壁乱流の特徴を観察した。その結果、ニュートン流体に対する壁乱流の変調を捕らえることができた。縦渦によるせん断でSISが生じて高粘度になることで、強い粘性拡散が縦渦に作用する。その結果、縦渦が生成されても、すぐに減衰するため、乱流が抑制されていた。乱流エネルギーの生成率と散逸率、および、速度変動エネルギーの再分配は、ニュートン流体の場合とは異なる割合と分布で釣り合っている。このことから、ニュートン流体の経験則に基づく理論が流用できないことがわかった。さらに、壁乱流の瞬時構造と乱流統計量の観点によるスケール解析によって、局所変動粘度を用いて乱流構造を普遍的に正規化できることを見いだした。この結果に基づいて、以下のことを明らかにした。粘度変化を考慮した正規化により、乱流統計量の最大値の位置や分布がニュートン流体の場合に近くなった。このことにより、乱流の組織構造の普遍的な特徴を観察できる。粘度変化による補正関数でフィルターをかける乱流場の空間スケールを普遍的に評価することにより、LESで界面活性剤水溶液の壁乱流が再現できた。その他各種非ニュートン流体の解析結果も同様の傾向であった。そして、非ニュートン流体の乱流予測の解析では、フィルターをかける乱流場の空間スケールを適正に評価する必要があることがわかった。
|