2009 Fiscal Year Annual Research Report
液相乱流中の物質拡散・反応過程の解明と確率モデルの構築に関する研究
Project/Area Number |
21760125
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
久保 貴 Meijo University, 理工学部, 助教 (20372534)
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Keywords | 乱流 / 拡散 / 化学反応 / 確率モデル |
Research Abstract |
本研究では,基本的なせん断乱流である噴流を対象として,吸光スペクトル法による多成分濃度同時測定を行い,液相における反応性乱流拡散場の状態を明らかにすることを目的として,実験および数値計算を行った。 本年度はまず,高時間・高空間分解能の2成分濃度同時測定システムの開発を行った。分解能を向上させるために,今回新たに光ファイバープローブを本研究費により製作した。従来の直径0.5mmの光ファイバーをまず50μmにすることにより,検査体積を約1/100に小さくすることができる。しかし,検査体積を小型化すると光量も減少するため,従来のハロゲンランプでは,高精度な濃度測定は不可能である。そこで本研究では,光源として固体レーザーやレーザーダイオードを用いた2成分の濃度測定システムを開発した。開発した濃度測定システムにより,染料であるアシッドブルー9とエリスロシンBの混合液の濃度を測定した結果,最大約5%の誤差で濃度測定が可能であることがわかった。誤差の原因を検討したところ,受光系のフィルターが2種のレーザーダイオードの光を完全に分離できていないことが原因と考えられた。来年度は,受光系のフィルターを見直すことにより,より高精度な濃度測定システムに改良する予定である。 また,数値的研究では,フィルター化密度関数による反応性拡散場のモデリングを行うために,まず平均せん断のない格子乱流中におけるマルチプルーム拡散場を対象とした数値計算を行った。本年度は,現在提案されているIEMモデルを液相反応性乱流に適用し,これまでの実験と比較することにより,その有効性を検証した。
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