2010 Fiscal Year Annual Research Report
液相乱流中の物質拡散・反応過程の解明と確率モデルの構築に関する研究
Project/Area Number |
21760125
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
久保 貴 名城大学, 理工学部, 准教授 (20372534)
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Keywords | 乱流 / 拡散 / 化学反応 / 確率モデル |
Research Abstract |
本研究では,基本的なせん断乱流である噴流を対象として,吸光スペクトル法による多成分濃度同時測定を行い,液相における反応性乱流拡散場の状態を明らかにすることを目的として,実験および数値計算を行った。 本年度は昨年度に引き続き,高時間・高空間分解能の2成分濃度同時測定システムの開発を行った。昨年度は,分解能を向上させた光ファイバープローブを製作し,光源として緑色の固体レーザーと赤色のレーザーダイオードを用いた2成分の濃度測定システムを開発した。開発した濃度測定システムにより,染料であるアシッドブルー9とエリスロシンBの混合液の濃度を測定した結果,最大約5%の誤差で濃度測定が可能であることがわかった。誤差の原因を検討したところ,受光系のフィルターが2種のレーザーダイオードの光を完全に分離できていないことが原因と考えられた。そのため,本年度は受光系のフィルター光学系を見直し,2種のレーザーダイオード光の分離効率を高めた。さらに,測定対象である染料も見直し,エリスロシンBからアシッドオレンジ20に変更した。その結果,濃度の誤差を約3%程度まで小さくすることが可能となった。 また,数値的研究では,フィルター化密度関数による反応性拡散場のモデリングを行うために,引き続き平均せん断のない格子乱流中におけるマルチプルーム拡散場を対象とした数値計算を行った。IEMモデルに加え,修正Curlモデルを液相反応性乱流に適用し,これまでの実験と比較することにより,その有効性を検証した。
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