2010 Fiscal Year Annual Research Report
非一様な界面活性剤水溶液における乱流境界層の流動抵抗低減メカニズムの解明
Project/Area Number |
21760126
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
玉野 真司 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教 (40345947)
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Keywords | 抵抗低減 / 乱流境界層 / 界面活性剤 / 可視化観察 / LDV計測 |
Research Abstract |
水の平板上乱流境界層流れに、壁面から抵抗低減界面活性剤水溶液を注入した場合の速度場の詳細を明らかにし、抵抗低減メカニズムを解明することを本研究の目的としている。本研究目的を達成するため、平成22年度においては,以下の順序で研究を推進した。 1.可視化観察による乱流構造の解明 2.LDV計測によるDR効果及び乱流統計量の解明 1においては、主流方向および壁面垂直方向断面、ならびに主流方向およびスパン方向断面をスリットレーザーにより光切断し、その断面を高解像度デジタルビデオカメラにより撮影した。これより、界面活性剤水溶液を注入した場合、壁面に平行な層状の流れが下流に向けて発達し、水注入の場合よりも壁面垂直方向の拡散が著しく抑制されること、ならびに壁面近傍のストリーク構造のスパン方向間隔が広くなることが明らかになった。 2においては、異なる主流方向位置において、主流方向および壁面垂直方向速度成分のLDV計測を実施した。界面活性剤水溶液注入の場合、同濃度の一様な界面活性剤水溶液の境界層流れよりも抵抗低減率(DR)が大きいことが明らかになった。また、壁変数で正規化された平均速度分布は、界面活性剤水溶液注入の場合、一様な界面活性剤水溶液流れの場合に関係なく、DRにより速度分布を整理できることが判った。さらに、界面活性剤水溶液注入の場合には,壁面ごく近傍における壁面垂直方向乱れ強さが、一様な界面活性剤水溶液流れの場合よりも小さくなることが明らかになった。 以上、平成22年度においては、壁面から界面活性剤水溶液を乱流境界層に注入した場合の可視化観察およびLDV計測により、乱流構造、抵抗低減率、乱流統計量の詳細を明らかにすることが出来た。
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Research Products
(5 results)