2010 Fiscal Year Annual Research Report
反射信号の非線形性に基づく気液分離手法を用いた超音波混相流動解析システムの開発
Project/Area Number |
21760132
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
村川 英樹 神戸大学, 大学院・工学研究科, 助教 (40467668)
|
Keywords | 超音波 / ドップラ法 / 相関法 / 速度分布計測 / 反射波解析 / 気液分離 |
Research Abstract |
一次元の瞬時速度分布を非接触に計測できる超音波流速分布計測法の二相流計測への適用を目的とし、超音波パルサレシーバ、高速デジタイザおよびPCを用い、相関法およびドップラ法を用いた速度分布計測システムを構築した。気液二相流への適用には得られた瞬時速度分布において気液界面の同定が必要である。しかしながら、市販のシステムでは速度分布のみを記録するため波形解析による気液界面の同定が困難であり、さらに高時間分解能で高速度カメラと同期する事が不可能であった。構築システムでは、パルスドップラ法において超音波の繰り返し周波数を8kHz、瞬時速度分布の算生に用いるパルス数を128に設定した場合、32の受信波形をずらして速度算出することで、500fpsの高速度カメラとの同期計測を実現した。これにより、時間分解能16msの瞬時速度データを2ms毎に取得可能とし、瞬時速度に対応した画像より気液界面位置の同定を実現した。超音波の反射波解析に基づき反射波強度の差異に基づく気液界面同定を実現し、瞬時速度分布において気液界面位置を同時記録するシステムを構築した。構築したシステムの有効性を確認するため、幅50mm、高さ25mm、長さ3000mmのアクリル製水平ダクトにおける気液二相流計測を実施し、気泡通過に伴う壁面せん断応力変化と液相速度分布計測の同時計測を行い、時系列の速度分布と気泡位置データの取得を行った。 これにより気泡通過時の液相速度分布変化とせん断応力変化の関係を明らかにした。複数のデータを統計処理することで、気泡前方・後方における時間平均液相速度分布を算出し、気泡通過前・後では気相体積流量を考慮した液相速度分布と比べ壁面近傍で速度が増加している事を明らかにし、本手法の有効性を示した。
|
Research Products
(3 results)