2009 Fiscal Year Annual Research Report
ターボ機械内部流れ場の感圧・感温塗料によるイメージング解析
Project/Area Number |
21760134
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 英男 Kyushu University, 大学院・工学研究院, 准教授 (70362275)
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Keywords | 流体工学 / 計測工学 / 感圧塗料 / 感温塗料 / イメージング計測 / ターボ機械 / 低速流れ場 |
Research Abstract |
本年度は非接触でイメージング計測が可能な光学的計測手法である感圧塗料(PSP)および感温塗料(TSP)をターボ機械内部における複雑流れ場の計測へ適用するため,ターボ機械の作動範囲を念頭に置いた条件下でのPSPおよびTSPの特性検証を行い,PSPおよびTSPによる計測を適用する際の問題点を明らかにするとともに,計測精度向上のための手法を検討した.PSPは本質的に絶対圧のセンサーであるため,産業用および民生用ターボ機械でみられる大気圧付近の圧力域における低ゲージ圧条件下では圧力感度が低くなる問題があるうえ,原理上圧力だけでなく温度にも感度を持つため,高精度な圧力計測を行うためにはPSPの温度補正が必要不可欠である.そこで,PSPとTSPの重ね塗りにより,TSPで計測した温度分布を用いてPSPの温度感度を補正する手法を適用し,PSPの圧力計測における精度向上について評価を行った.重ね塗りに適したPSPおよびTSPの組成を決定するとともに,照射光源の選定および励起方法,PSPとTSPの発光を分離する方法について検討した.本研究で適用した手法により,重ね塗りしたTSP成分の温度感度を単独で塗布したTSPと比較した結果,PSPと重ね塗りした場合でもTSPの温度感度が低下していないことを示した.さらに,重ね塗りしたPSP成分の圧力感度が単独で塗布したPSPに比べて圧力感度の低下が非常に小さいことを明らかにしたうえで,重ね塗りしたPSP成分の温度感度をTSPの測定結果を用いて補正することで,PSPの精度が向上することを示した.併せて,動翼など駆動部を含む複雑な構造を持つターボ機械内へPSPやTSPを適用するために,入射光の導入方法や光学機器およびカメラの配置,駆動する動翼表面の撮像方法などの具体的手法を検討するとともに,次年度の実験解析実施に向け,供試プロペラファンの圧力計測を実施するための実験装置の構築を行った.
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Research Products
(3 results)