2010 Fiscal Year Annual Research Report
ターボ機械内部流れ場の感圧・感温塗料によるイメージング解析
Project/Area Number |
21760134
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森 英男 九州大学, 大学院・工学研究院, 准教授 (70362275)
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Keywords | 流体工学 / 計測工学 / 感圧塗料 / 感温塗料 / イメージング計測 / ターボ機械 / 低速流れ場 |
Research Abstract |
非接触でイメージング計測が可能な光学的計測手法である感圧塗料(PSP)および感温塗料(TSP)をターボ機械内部における複雑流れ場の計測へ適用するにあたり,特に産業用および民生用ターボ機械でみられる大気圧付近の圧力域における低ゲージ圧条件下でPSPの圧力感度が低くなり,これによりPSPの温度感度が相対的に大きくなるために生じる,圧力計測の精度低下の問題を克服する必要がある.そこで本年度は,PSPの温度補正を行い高精度な圧力計測を実現するための手法として,昨年度より取り組みを開始した,PSPとTSPを重ね塗りしTSPで計測した温度分布を用いてPSPの温度感度を補正する手法について,精度向上および検証を行った.具体的には,実際のプロペラファン翼面上への適用において想定される,0.3℃程度の温度差による影響を重ね塗りPSP/TSPのTSP成分により補正し,PSP成分による圧力計測において1kPa以下の圧力差を正しく計測できることを検証した. 昨年度に構成した重ね塗りPSP/TSPのTSP成分では,発光分子のルテニウム錯体とバインダーのPMMAを溶解するための溶媒が異なるため,両者の溶液を混合した後に発光分子が溶媒中で均一に分散されなくなり,その結果として発光分子の自己消光作用が生じ,発光強度および温度感度の低下につながっていた.そこで,バインダーにPVAを用いた水性TSPを構成し,発光強度および温度感度の向上を実現したうえで,さらにPSPとの重ね塗りによる温度感度の低下の影響が生じないことを確認した.なお,この重ね塗りPSP/TSPにおいて,大気圧付近の低ゲージ圧域におけるPSP成分の圧力感度は若干低下するが,プロペラファン翼面上への適用に支障がないレベルであることを確認した.さらに,この重ね塗りPSP/TSPを用いて,約0.4℃の温度差を持つ平板翼面上において,低速の衝突噴流が形成する1kPa以下の圧力分布の計測を行い,TSP成分による温度補正により正しい圧力分布が得られていることを示した.
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Research Products
(7 results)