2009 Fiscal Year Annual Research Report
高レイノルズ数流れにおける微小慣性粒子の衝突機構の解明
Project/Area Number |
21760143
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
大西 領 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 地球シミュレータセンター, 研究員 (30414361)
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Keywords | 流体工学 / 混相乱流 / 豪雨予測 / 大規模並列計算 |
Research Abstract |
初年度にあたる平成21年度には、乱流中における微小慣性粒子(雲粒)同士の衝突に関するデータを得るために、流体を通しての粒子間相互作用までを考慮した大規模並列二相乱流シミュレーションコードの開発,およびその検証を行った。本年度はコードの開発に専念したため,学会発表や掲載雑誌等はない.開発したコードは(1)気相乱流計算コードと(2)粒子運動計算コードから成る.それぞれのコードは3次元領域分割のMPI(分散メモリ方並列ライブラリ)に対応しており,大規模並列計算が可能な仕様である。それ以外の主な特徴を列挙する:(i)気相乱流の計算に差分法を採用し,さらに,開発した効率的な強制法(雑誌投稿,国際会議発表予定)と組み合わせる.これにより,高い並列化率で定常等方性乱流場を生成することができる.(ii)高いベクトル化率を持っ.これにより,ベクトル計算機で高い演算速度を発揮できる.(iii)粒子計算には,粒子追跡法を用いる.さらに,分子動力学シミュレーションで用いられるcell-index法(計算領域をk_<cell>^3個のセルに分割し、相互作用および衝突判定の計算は近接セル内にある粒子同士だけについて行われる)を採用することによって,効率良く粒子衝突を検出できる.開発したシミュレーションコードを使って,低レイノルズ数流れ場における衝突頻度を既往研究(Onishi et al.2009, Physics of Fluids)の結果と比べた.その結果,既往研究の結果と良く一致する結果が得られることを確認した.以上の成果により,既往のシミュレーションコードでは達成できないような高いレイノルズ数の流れ場における慣性粒子の衝突頻度データを得る準備ができた.
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