2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760145
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Research Institution | Fukuoka Industrial Technology Center |
Principal Investigator |
周善寺 清隆 Fukuoka Industrial Technology Center, 機械電子研究所, 研究員 (00416504)
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Keywords | 熱工学 / 流体工学 / 氷核生成 |
Research Abstract |
半導体や超精密機械部品の製造プロセスにおいて洗浄工程は不可欠であり,微細かつ複雑形状に付着した微小な汚染粒子を除去可能な洗浄方法の開発が切望されている.本研究者は,環境負荷が少なく洗浄効果が高い洗浄媒体として「氷」に着目し,液体窒素等の特別な冷媒を使用せず,ミクロンサイズの微小な氷粒子や過冷却水滴を噴射可能な新規な洗浄ノズルを考案した.本ノズル内部における水滴の冷却や氷核生成による状態変化はミリ秒以下の時間スケールでの物理現象であり,この水滴の冷却過程を明らかにすることができれば氷生成率の向上および制御が可能となる.そこで本研究では,ラバルノズル内部における低温空気との熱伝達による水滴の過冷却と氷核の生成について明らかとするために,ノズル内において微粒化された水滴が低温空気からの熱伝達により過冷却状態を経て氷粒子になる冷却過程を調べた.解析結果によれば,水滴の粒径によってノズル内部における水滴の冷却特性は大きく異なり,水滴の粒径が小さいほど冷却速度が大きくなる.また,空気により冷却された水滴は過冷却状態となるため氷点では凍結せず,水滴の粒径により多少異なるもののマイナス42℃程度で氷核が生成し,混相状態を経て氷粒子となる.本研究の実施により,ラバルノズル内部において水滴を凍結させるためには,水滴の粒径を小さくすること,凍結までに必要な時間に対して水滴のノズル内滞留時間が長くなるようにノズル形状を設計することが非常に重要であることが明らかになった.
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Research Products
(2 results)