2009 Fiscal Year Annual Research Report
超流動ヘリウムの異相界面近傍に発生するマイクロ熱流動機構の解明
Project/Area Number |
21760148
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Research Institution | Akita National College of Technology |
Principal Investigator |
野澤 正和 秋田工業高等専門学校, 機械工学科, 講師 (60447183)
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Keywords | 可視化 / 熱工学 / 流体工学 / 低温工学 / 超流動 |
Research Abstract |
超流動ヘリウム(He II)中のマイクロスケールの熱流動状熊、超流動乱流状熊の解明、特に、沸騰膜等の相界面近傍における熱流動状態と高密度量子化渦挙動の関連性について明らかにする。具体的には、加熱によるHe II中への擾乱発生時における高精度の圧力・温度変動の計測及びシュリーレン・シャドウグラフ法の可視化手法を用いた、気液界面、またはHe I-He II界面の可視化観測を行う。特にHe I-He II界面の観測においては、僅かな密度変動を捉えるために、シュリーレン法を用いる。He II-ヘリウム蒸気またはHe II-He I-ヘリウム蒸気相界面での流体力学的安定性も考慮することで、熱流動状態および高密度量子化渦の発生から、それが発達し、流動・伝熱機構に及ぼす影響を明らかにする。本年度は、まず試験部の製作を行った。複数の超伝導温度センサを設置した試験部を作成し、沸騰膜界面近傍の温度分布の計測を行った。同時に可視化観測による蒸気膜挙動を計測し、温度分布と蒸気膜挙動の関連性について考察を行った。可視化観測の結果から、飽和He II中では、ノイジー膜沸騰とサイレント膜沸騰の二つの膜沸騰モードが観測された。これまで、両膜沸騰モードについては定性的な観測しか行われていなかったが、本研究によって、両膜沸騰モードの定量的な挙動について観測することができた。ノイジー膜沸騰に関しては、蒸気膜挙動と界面近傍の温度分布の関連性が見られたが、サイレント膜沸騰では、温度変動に有意な変動が観測されなかった。
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