2010 Fiscal Year Annual Research Report
バイオマス由来ガス燃料の超高効率HCCI燃焼に関する研究
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21760149
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山崎 由大 東京大学, 大学院・理工学系研究科, 講師 (60376514)
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Keywords | バイオマス / エンジン / HCCI / 燃料組成 / イオン電流 |
Research Abstract |
バイオマスガスをHCCIエンジンで利用するにあたって,組成が変動することから常時燃焼状態を把握することが重要となる。前年までの成果から,熱発生率から同定される着火時期および燃焼期間は,燃料組成および吸気温度が変化した場合でもイオン電流から推測できることが示された。しかし,圧力履歴およびそこから算出される熱発生率履歴にわずかな振動が生じる程度の微弱なノックとなるような運転条件においてはイオン電流には振動が生じなかったこと,また予混合気の燃料濃度の不均質性は燃焼期間に影響するが,イオン電流に及ぼす影響については調査不十分であったことから,イオン電流をエンジン制御用のフィードバック信号として用いる場合にはこれらの影響も検討しておく必要がある。そこで,燃料の不均質性を変化させた場合,またノックの有無によってイオン電流と熱発生の相関がどのように変化するかを実験的に調査した。 ノッキングの影響について,明確なノック発生時,圧力履歴,熱発生率履歴には高周波数の振動が発生するのに対し,イオン電流には高周波数の振動は生じないが,大きな2つのピークを示すことが分かった。1つ目のピークは正常燃焼時と同様に熱発生との相関によって生じるものであり,2つ目のピークはノック時の急激な温度上昇により,NOxが生成され,その際に発生するイオンを補足したものと考えられる。いずれの運転条件でも圧力,熱発生率の振動は,燃焼後半に生じており,イオン電流から着火時期および熱発生ピーク時期の予測は可能であった。不均質性を変化させた場合は,不均質性が強いほど熱発生の開始およびピーク時期は遅れる傾向にあるが,イオン電流の発生時期,ピーク時期も同様に遅れる傾向を示し,不均質性が変化しても,熱発生の開始,ピーク時期はイオン電流から予測できることが分かった。
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