2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760150
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
宮崎 隆彦 東京農工大学, 大学院・工学研究院, 助教 (70420289)
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Keywords | 吸着冷凍機 / 吸着 / 排熱利用 |
Research Abstract |
本研究では,80℃以下の温水で駆動される吸着冷凍機を高性能化する新たなサイクルの実証を目的としている。従来の吸着冷凍機は2つの吸着器で吸着,脱着を互い違いに繰り返しているが,提案する二段蒸発型吸着冷凍機は,3つの吸着器,2つの蒸発器,1つの凝縮器を有し,2段階の圧力レベルで吸着過程を実行する。蒸発器は5~7℃の飽和蒸気圧で動作する低圧蒸発器と10℃以上の飽和蒸気圧で動作する高圧蒸発器から構成され,初めに低圧側で吸着過程を行ったのち,吸着器の接続を高圧蒸発器に切り替えて吸着過程を継続する。高圧の吸着過程によって従来のサイクルに比べて吸着量の変化幅が拡大すること,および全サイクル時間の約2/3が吸着過程となることからCOPの向上が期待できる。 今年度は,二段蒸発型吸着冷凍機の実験機を試作しサイクルの実証および性能の検証を行った。吸着材-冷媒の組み合わせには低温再生型のゼオライト系吸着材と水を用いた。吸着材温度および容器内圧力の計測から,想定した温度・圧力範囲において二段蒸発型吸着冷凍サイクルとして動作できることが確認できた。さらに,従来の吸着サイクルでは吸着材の予冷・予熱の間は冷熱が得られず,出力される冷水の温度変動が大きいという問題があるが,二段蒸発型のサイクルでは3つの吸着器のうち少なくとも1つは吸着過程を実行するので,冷水の温度変動を軽減できることが確認できた。さらに,脱着時間を揃えた条件で従来型と二段蒸発型とのCOPを比較した結果,二段蒸発型は吸着時間を長く取る分有利であり,温水温度80℃の条件においてCOPが約1.5倍となることを確認した。
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Research Products
(3 results)