2009 Fiscal Year Annual Research Report
マルチセンシングプローブを用いた異方的熱電性能物性同時計測
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21760152
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
長野 方星 Nagoya University, 工学研究科, 講師 (10435810)
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Keywords | 熱電発電 / エネルギー変換 / 熱物性 / 異方性 / 同時測定 |
Research Abstract |
熱電変換技術の高度化に向け,熱電材料の三軸方向の熱電性能パラメータ(ゼーベック係数,比抵抗,熱伝導率)を同時に,しかも高い精度で評価できるマルチセンシング手法を確立し,新規高熱電変換材料の高信頼性評価を実現することを目的とする。本年度は,マルチセンシングフィルムの試作,基本装置の製作,および本提案の測定原理の確認を中心に研究を行った。具体的な成果を以下に要約する。 ● 比抵抗測定用の四探針プローブの概念を拡張し,熱電パラメータが同時に測定できるように改良したセンシングフィルムセンサを試作し,熱起電力,降下電圧,温度を同時に測定するための信号強度を十分に得られることを確認した。次に,従来のゼーベック係数,比抵抗測定法との比較を行い,接触熱抵抗,熱損失,温度応答の観点から最適となる押付け圧力を決定した。 ● ゼーベック係数,比抵抗,および熱拡散率を同時に測定できる同時計測システムを新たに製作した。2相式の高精度ディジタルロックインアンプを導入し,微小信号の計測が可能となった。また,3物性を同時に計測可能な計測プログラムを新規に制作した。 ● 絶対熱電能が既知のコンスタンタンを参照試料とし,室温,大気環境下で予備的測定を行った。ます,ゼーベック係数と比抵抗の測定を行い,推奨値と良好な一致を示すことを確認した。続いて微小フィルム抵抗を用いて試料端表面を周期的に加熱し,温度応答の位相差の変調周波数依存性を求め,熱拡散率を計測することに成功した。
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Research Products
(1 results)