2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代火力発電用高湿分排ガス凝縮器の高性能化に向けた不凝縮ガス中蒸気凝縮伝熱促進
Project/Area Number |
21760158
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
井上 浩一 The University of Kitakyushu, 北九州市立大学・国際環境工学部, 准教授 (70380574)
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Keywords | 凝縮 / 物質伝達 / 熱伝達 / 不凝縮ガス / 火力発電 / 二酸化炭素削減 / 排ガス凝縮器 / 潜熱回収 |
Research Abstract |
二酸化炭素回収対応など多くの次世代火力発電システムの実現に対し、不凝縮ガスを取り扱う凝縮器の小型・高性能化は不可避の課題である。本研究はこれら凝縮器の基礎現象である不凝縮ガス中の水蒸気凝縮に関する基本的な熱物質伝達特性の解明と適切な熱物質伝達促進方法の確立を主な目的としたものである。本年度は、(1)テスト管に水平単管を用いた実験装置の製作と実験方法の検討、(2)実験例がきわめて少ない中間水蒸気質量分率域における平均熱物質伝達データの計測、を主に実施した。実験ループはブロワによる強制循環ループであり、試験流体には大気圧の空気-水蒸気混合気を用いた。混合気の水蒸気質量分率と温度は飽和器と過熱器で所定の条件に調節し後、テスト部で鉛直下向きに流される。テスト部は250mm×125mmのポリカーボネイト製矩形流路で、その中央に外径25mmの銅製テスト管を水平に設置した。伝熱量はテスト管内冷却水の温度上昇により計測され、同時に管外面凝縮水量の測定により物質伝達量および潜熱伝熱量が計測される。テスト管表面には微小温度センサが埋め込まれており、これにより管外面温度分布が測定される。実験は混合気相対湿度を100%、混合気とテスト管外面の温度差を50Kにそれぞれ保持した条件で、混合気レイノルズ数を300~800、水蒸気質量分率を20~50wt%の範囲で変化させて行った。その結果、以下のことが明らかとなった。(1)物質伝達係数のレイノルズ数依存性は、全水蒸気質量分率域において単相強制対流(非凝縮)における熱伝達係数のレイノルズ数依存性とほぼ等しくなる。(2)物質伝達係数は凝縮に伴う高物質流束効果(吸い込み)によって水蒸気質量分率の増加とともに高くなる。(3)高物質流束効果による物質伝達係数の増加割合は、Mickley式による推算値よりもかなり高くなる。
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