2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760164
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
元祐 昌廣 Tokyo University of Science, 東京理科大学・工学部, 助教 (80434033)
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Keywords | マイクロ流体 / フォトサーマル効果 / 局所物性分布制御 / 光放射圧 / 物質輸送 |
Research Abstract |
本年度は,マイクロ流路内の微小領域への光圧発生,並びに物性分布誘起のための光学システムの開発を行い,基本現象の定量化を重点的に行つた. 微小プリズムを用いて半導体レーザからの出射光をデバイス側方から入射する光学系を倒立顕微鏡上に構築し,入射光の光路と微小物質の挙動を同時に計測可能な光学実験システムを構築した.そして,光吸収のない流体と直径2Fmの微小ポリマー粒子をマイクロ流路内に流し,側方からレーザ光を照射して粒子の動きをmicro-PIVを用いて計測した.その結果,光圧の散乱力による力が粒子に作用して光軸方向に移動する様子が確認された,さらに詳細な計測を行った結果,粒子の光軸成分速度は照射光と同様のガウス分布を有すること,並びに光線光学モデルによって導出される散乱力と良い一致を示すことが分かった続いて,試料に微量の光吸収性染料を添加し,光熱効果を発生させて同様の実験を行ったところ,光吸収時における粒子輸送速度が増加することを確認し,本実験では最大60%の増加を示した.その要因を解明するため,micro-LIFを用いて流体の温度分布を計測したところ,光吸収による温度上昇に伴う粘性率の低下がその主要因であることが明らかになり,光圧と局所物性分布の組み合わせによる微小物質輸送の促進現象を定量的に評価することができた. 微細電極を用いた電気駆動での物質輸送の評価を行うため,バイポーラ電源を用いて,MHzオーダーまでの交流電圧を印加できる実験システムを確立した.デバイスにはガラス基板と透明導電膜を用い,フォトリソグラフィーとエッチングによるパターニングにより任意の電極構造を配置でき,電極越しに光学的に観察可能な構造とした.電気泳動の影響が表れない100Hz以上の周波数で電圧を印加し,ジュール加熱による温度上昇伴う電気物性勾配に起因した流動の存在を確認することができた.
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Research Products
(5 results)