2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760164
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
元祐 昌廣 東京理科大学, 工学部, 助教 (80434033)
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Keywords | マイクロ流体 / フォトサーマル効果 / 局所物性分布制御 / 光放射圧 / 物質輸送 / 電場誘起流 |
Research Abstract |
本年度は,前年度に確認した基本現象(微小流路内部での光圧による物質輸送及び交流電場駆動流)に関する詳細なモデリング及び複合現象の検証を行い,テストデバイスを製作して,その性能評価を行った. 微細電極への交流電界印加時に発生する物性分布誘起流についての詳細なモデリングに関して,その基礎となる実験データを取得する際に,微小プリズムを用いた側方観察micro-LIF/PIVによって,流体温度/速度分布を計測した.その結果に基づいた物理モデリングを構築してシミュレーションを実施した結果,物性の温度依存性,特に誘電率並びに導電率が流動現象を発生させる上で重要で,そのうち導電率の温度感度が誘電率に比べて数倍大きく,支配的であることが分かった. 光圧を用いた物質輸送時に,光熱効果を用いて粒子移動速度を促進するが,同時に周囲流体の粘性率変化が局所的な抵抗変化を引き起こして流れを歪める可能性があることを実験によって明らかにし,チャネル内流速と照射光密度及び温度分布のパラメータでその影響因子をまとめ,物質輸送効率を損なうことなく効果的な光圧による粒子搬送を実現する条件を明らかにした. さらに,交流電場及び光照射による複合現象を用いた粒子搬送用テストチップを製作し,検証実験を行った.その際,光照射面の加工精度が重要で,不十分な場合には光圧を大きく減衰させるが,屈折率マッチング技術を用いることで回避可能であることを明らかにした.また,電場及び光が誘起する物性分布を併用することで大幅な粒子輸送効果の促進が選択的に可能であることを実験的に明らかにし,本手法の有効性を示すことができた.
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Research Products
(8 results)