2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760168
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中野 公彦 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 准教授 (90325241)
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Keywords | 振動工学 / 制御工学 / 車両工学 / 信号処理 |
Research Abstract |
独立成分分析法を動的な混合に適用する手法の有効性を調査した。鉄道台車の半車体モデルを作成し、台車に加速度計を2つ設置し、前輪および後輪から入力される軌道不整に起因する振動を推定することを行った。実際の鉄道と同様のパワースペクトル密度を持つ軌道不整を作成し、その上を台車単体が走行する数値計算を行った。ばね定数、質量、慣性モーメントなどの台車のパラメータが未知の状態で、台車の加速度から軌道不整の形状を推定できることを示した。また、生産技術研究所千葉実験所の鉄道試験線と鉄道台車を利用して、鉄道台車実機を用いた実験を行った。台車に取り付けられた4つの加速度計の値から、レールのつなぎ目を超える時に発生する振動を同定できることを示した。 自動車の車体加速度から、路面の不整を推定することも試みた。自動車の半車体モデルも作成し、不整のある路面を走行した際に、路面不整を推定できることを数値計算により示した。自動車は、タイヤに弾性が存在するため、鉄道台車と異なり、4次遅れ系になる。伝達関数はより複雑になるが、そのような系においても、本手法が有効であることが分かった。また、研究計画と同様の方法で、自動車の模型実験を行った。半車体モデルと同等な系を作成し、前輪部および後輪部から加振器によって振動を与え、車体に相当する剛体に取り付けた2つの加速度計から、入力振動の推定を行った。実験によっても、推定が可能であることを示した。 計画を少し早め、模型実験を開始することができた。1年目から本研究の最終的な目的の一部を行うことができた。ただし、まだ、実験を行った条件が少ないため、今後は、様々な条件下で実験を行い、本手法の有効性を示していく予定である。
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