2010 Fiscal Year Annual Research Report
曲げ振動の低減に用いる圧電素子の性能向上に関する研究
Project/Area Number |
21760169
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山田 啓介 京都大学, 工学研究科, 助教 (80456798)
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Keywords | 圧電素子 / スマート構造 / 振動制御 / 柔軟構造物 / 受動制振 / アクチュエータ |
Research Abstract |
交付申請書に記載した内容に沿って説明する.研究を進める上で多少変更した点がある. 1 負剛性を用いる手法の検討 前年度までに,圧電素子の剛性と貼付対象の剛性を整合すると圧電素子の制振効果が最も高くなるという知見を得た.また,圧電素子の剛性を高めることで整合するよりも貼付対象の剛性を低減することで整合する方がよいという知見も理論的に得ていた.そこで,これを実現する方法として,スペーサーを長手方向に延長することで貼付対象の剛性を低減する手法と,圧電素子を用いて負剛性を電気的に付加することで貼付対象の剛性を低減する手法を提案し,実験で両方の効果を検証した.スペーサーを延長する手法では延長した長さに比例して効果が向上し,電気的に負剛性を付加する方法では直接貼付に比べ,最大で10倍程度の性能が得られた. 2 静電容量調整回路を用いる手法 交付申請書では負性キャパシタンスを用いる手法を検討するとしていたが,性能の向上と安定性がトレードオフの関係にあり,実験でも不安定化する現象が確認されたため,負性キャパシタンスの使用を断念した.これは圧電素子の静電容量を減算的に減らすことで性能の向上を図る手法であり,これが回路の調整を困難にする主因であったため,代わりに静電容量調整回路を提案した.この回路では圧電素子の静電容量を除算的に減少させるため,回路の調整が容易になった.また,合計の静電容量が等しければ,二つの方法で効果に差異はない.理論と実験の両方で有効性を検証した.
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Research Products
(5 results)