2011 Fiscal Year Annual Research Report
日本の実用大形テンタゲートの実地調査と自励的定常振動を支配する非線形効果
Project/Area Number |
21760173
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Research Institution | Ashikaga Institute of Technology |
Principal Investigator |
阿南 景子 足利工業大学, 工学部, 准教授 (30346077)
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Keywords | 機械力学 / 流体力学 / 流体関連振動 / 自励振動 / 連成振動 / テンタゲート / 動的不安定 / 安全対策 |
Research Abstract |
実用テンタゲート式水門の動的安定性を明らかにするとともに、自励的定常振動を支配する非線形効果について検討するために、実用されているテンタゲートの振動実地調査、縮小モデルを用いた実験、および理論解析を行った。 3次元モデル実験:系の非線形効果が支配的となる自励的定常振動について、テンタゲートの大型と中型3次元モデルゲートを用いた実験を行った。モデルゲート側面にゴムを取り付け、線形理論に支配された微小振動から非線形性が卓越してくる自励的定常振動まで、いろいろな条件下で実験を行い、主要な特性を明らかにした。さらに、摩擦の閾値を越えて強烈な動的不安定が表面化する初期変位量についても検討した。実験結果を用いて、これまでの理論解析の検証を行った。 2次元モデル実験:系の非線形効果が支配的となる自励的定常振動について、テンタゲートの小型2次元モデルゲートを用いた実験を行った。モデルゲートを支えるばねのばね定数を様々に変化させ、線形理論に支配された微小振動からばねの非線形性が卓越してくる自励的定常振動まで、いろいろな条件下で実験を行い、主要な特性を明らかにした。 実用テンタゲートの振動実地調査:日本で実用されている大型テンタゲートについて、研究代表者らの提案する鋼棒切断加振法による振動実地調査を実施した。簡単で効果的な結果の得られる方法である。その結果、実験を実施したゲートはいかなる水位、開度においても動的に不安定な状況に陥らない、完全に動的に安定なゲートであることを確認した。 理論解析:振動実地調査結果およびモデル実験結果に基づいて、実用大形テンタゲートの引き起こす複合発散振動の理論解析およびその対策手法に関する理論的な検討を進めてきた。確立にはもう少し時間が必要である。 研究成果の発表:研究成果を国内外で発表した。
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