2009 Fiscal Year Annual Research Report
電力貯蔵フライホイールへの応用を目的としたローレンツ力型磁気軸受の開発
Project/Area Number |
21760178
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
栗田 伸幸 Gunma University, 大学院・工学研究科, 助教 (60435493)
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Keywords | 再生可能エネルギー / 負荷平準化 / 電力貯蔵システム / フライホイール / ロールンツ力型磁気軸受 / 磁気浮上技術 |
Research Abstract |
環境問題に対する意識の高まりを受けて,風・水力発電などの再生可エネルギーの利用が注目されているが,再生可能エネルギーによる発電は間歇的であるため,電力を安定に供給するには電力の負荷平準化・貯蔵技術が必要となる。そこでメンテナンスフリーでクリーンな電力貯蔵技術として,電力貯蔵フライホイールが研究されている。しかし回転軸の支持に用いられる従来型のヘテロポーラ型磁気軸受は,構造的にロータ内部に渦電流損が発生するために電力貯蔵効率が低下するという問題がある。そこで本研究では渦電流損の発生を根本的に無くする事のできる,ローレンツ力型磁気軸受の開発を行った。 FEM磁場解析によりフライホイールとコイルの形状設計を行い,実験装置を製作した。そしてDSPによってディジタルコントローラを製作し,試作機1号機の浮上特性・浮上回転特性等の基本特性の確認を行った。ローレンツカは制御電流に対して線形であるため,一般的なPIDコントローラによって容易に軸受制御を行うことができた。本磁気軸受は軸受力の発生にローレンツカを利用したため,磁気吸引力を利用した一般的な磁気軸受に比べ力係数が小さかった。しかしながら,インパルス応答,周波数応答の結果より,良好な軸受性能を確認できた。 次に,さらに強力な軸受力を得るため,半径方向に着磁した永久磁石を追加することを検討した。FEM磁場解析により,永久磁石を追加することでエアギャップの磁束密度を約30%増加できることが分かった。現在,半径方向に着磁された永久磁石を備えた試作機2号機を製作中である。 以上より,ローレンツカ磁気軸受を用いた電力貯蔵フライホイールの実現の可能性を明らかにすることができた。 今後は製作した実験装置の軸受制御を実施し,浮上特性・浮上回転特性等の基本特性の確認を行う。また大気中で電力貯蔵実験を行い,貯蔵電力量や待機時間・回転損失の測定を行う。
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Research Products
(3 results)