2011 Fiscal Year Annual Research Report
スマートアクチュエータによる一般構造物のアクティブ振動制御
Project/Area Number |
21760179
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Industrial Technology Research Institute |
Principal Investigator |
福田 良司 地方独立行政法人東京都立産業技術研究センター, 開発第一部・機械技術グループ, 副主任研究員 (60463030)
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Keywords | 振動制御 / 圧電セラミクス / 振動モード / スピルオーバ / アクチュエータ / 形状関数 / クラスタ制御 / ノーダルライン |
Research Abstract |
本研究は圧電セラミクスを振動制御系のアクチュエータとして用い、制御スピルオーバを引き起こすことなく、構造物の振動制御を実現することを目的とする。23年度は、提案するスマートアクチュエータの性能と振動制御効果について、実験を行い検証した。実験は、提案するアクチュエータを周辺単純支持された鋼製矩形平板へ、エポキシ系接着剤を用いて貼付し、平板の振動制御を行う。鋼製平板には、10~800Hzのホワイトノイズを用いて外乱を与え、これによって励起された平板の振動を、提案するスマートアクチュエータを用いて抑制する。なお、アクチュエータとして用いた圧電セラミクスは、本研究で提案する2次関数によって表される形状関数に従ってシェーピングを施している。この形状は、振動モードのノーダルラインがアクチュエータ上を通過しても、当該モードを励起することが可能な形状である。これを検証するため、本実験ではアクチュエータ上を平板の(1,3)モードおよび(2,3)モードのノーダルラインが通過するように、スマートアクチュエータを平板に貼付した。はじめに、当該アクチュエータによる平板の加振実験を行った。この結果、(1,3)モード、(2,3)モードを含む全ての振動モードが加振できることを明らかにした。次に本アクチュエータを用いて振動制御系を構築し、平板の振動抑制実験を行った。制御系にはクラスタ制御系を採用して、フィードフォワード制御によるアクティブ制御を行った。実験の結果、制御対象とする4つの振動モードを十分に抑制し、一方で非制御対象の振動モードには一切影響を与えないという結果が得られた。この結果から、本研究で提案するスマートアクチュエータにより、棚御スピルオーバを引き起こすことなく、構造物の振動制御を実現した。
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