2011 Fiscal Year Annual Research Report
ハンドル型入力装置における触覚振動による安全・安心の向上
Project/Area Number |
21760180
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Research Institution | 防衛大学校 |
Principal Investigator |
吉田 秀久 防衛大学校, システム工学群, 准教授 (00332635)
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Keywords | 交通機械制御 / 振動伝達 / 操作 / モデル化 |
Research Abstract |
本研究では車両動力学の見地から,人間にとって不快な振動と不快と感じさせない振動を識別し,振動によって情報を伝達することを検討の対象とする.これらの特徴を明らかにし,驚きを与えずに確実に意図した情報を伝達させる振動の特徴を明らかにすることで,積極的に安全性の向上に寄与する方策に適用が可能となる.驚きを与えずに確実に情報を伝達させる操作系における振動の特徴を明らかにすることで,積極的に安全性の向上に寄与し,車両の安全を確保する振動発生系の構築を目指す. これを実現するために具体的に本研究では,自動車のハンドルの操舵動作を対象にし,通常の操作時に,注意喚起のための触覚刺激を加える際に,タイヤからの基本情報の伝達に悪影響を与えない振動トルクを設計するための設計指針を得ることを目的とする.設計指針を得るために,生理指標のひとつである,表面筋電位による生体信号を用いた客観データを用いる手法の確立を目指した. 昨年度の結果を受け,生体情報である表面筋電位信号を用いた操作(操舵)モデルについて精緻化を検討した.運転時に通常操舵軸から加わるトルク反力に追加される振動に対して,運転操作者の意志に反する刺激として加わる際の許容範囲の限界と,注意喚起の信号として,振幅や周波数などの関係から適切な適用範囲を実験的に調査,確認した.表面筋電位により評価することでハンドルの操舵角度や車両挙動の出現よりも前のタイミングである,客観的な生理指標としての筋電位から評価することができた.これらの知見から,一般的なハンドル操舵系のシステムにおける,振動による警報運用に際した振動呈示法とその活用に有益な知見が得られたものと考える.
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