2010 Fiscal Year Annual Research Report
光機能制御ゲルマイクロツールの光ピンセット操作によるオンチップ微細作業
Project/Area Number |
21760182
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
丸山 央峰 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (60377843)
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Keywords | 光ピンセット / マイクロツール / 光制御 / マイクロ・ナノ操作 / 計測 |
Research Abstract |
本年度は,光照射による機能を制御可能なマイクロツールに関する研究を行った.今年度は,(1)昨年度開発した光照射による細胞付着制御ツールをガラスピペット先端への修飾による細胞の接着力計測,(2)光照射で水素イオンを放出しpHを低下させるツールを用いた細胞内生理環境計測センサの細胞内導入と細胞内温度計測,を行った. 細胞付着性を制御するマイクロツールに関しては,親水性光硬化性樹脂のゲルをガラスピペット先端に接着させることで光照射により任意の細胞に接着させ,ガラスピペットに取り付けたひずみゲージを用いて任意の培養環境中の細胞の接着力を1個単位で計測することを可能とした.この手法では細胞に特別な修飾等は不要である.pHを制御するマイクロツールに関しては,フォトクロミック材料のロイコクリスタルバイオレットとpHインジケータのプロモクレゾールグリーンを導入したゲルツールを作製した.紫外光の照射によるpHの最大低下量の解析やpH変化量の直接計測により,pHのフィードバック制御可能なツールを実現した.またこのツールをリポソーム内に導入し,細胞内へ導入することで細胞内の局所温度検出をおこなった. 本研究機関では,細胞付着性とpHの光制御に関してゲルマイクロツールを作製したが,ゲルに導入する材料を選ぶことで,温度制御等に展開が可能である.従来は電極やマイクピペット等で行ってきた環境計測・制御をワイヤレスなツールで実現することで単一細胞単位,将来的には細胞内,細胞核内等の微小空間での詳細な機能解析が行えると考えている. 以上の結果より,本研究課題が目標としていた,光により機能を制御可能なゲルマイクロツールを用いた微細作業の高度化を実現できたものと考える.
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Research Products
(5 results)