2009 Fiscal Year Annual Research Report
動作領域が広い新しいパラレルメカニズムにおける機構の特性解析と最適化
Project/Area Number |
21760185
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大川 一也 Chiba University, 大学院・工学研究科, 助教 (50344966)
|
Keywords | パラレルメカニズム / 特異点 / 運動伝達指数 |
Research Abstract |
従来のパラレルメカニズムでは,受動関節部分にボールジョイントを用いていることが多い.ボールジョイントは,1つで3自由度を実現できるためガタが少ないなどの利点があるものの,その構造上,可動角が狭くなってしまい,結果としてパラレルメカニズムの可動範囲が小さくなる問題が生じていた.そこで本研究では,ボールジョイントの代わりにフリーピンジョイントを用いたメカニズムを提案した.このメカニズムでは,従来のパラレルメカニズムに比べ可動範囲(特に姿勢の範囲)が広くなったが,特異点に陥り易くなるという問題が生じた.ちなみに,ここでの特異点とはモータを固定しても2つ以上の位置姿勢が存在することを意味し,メカニズムを実用する上で問題となるため回避しなければならない.この特異点に陥りにくくするために,本研究では,ベースとなるモータから数えて3番目に相当する関節の折り曲げる向きを変えることによって対処した.関節の折り曲げる向きを変えても,目標の位置姿勢を実現できることは,モータ角を算出する際の逆三角関数が多価関数となっていることに起因する.この折り曲げる向きの組合せから,本研究では「外折型」「内折型」「複合型」という3つの形態を提案した.また,武田らが提案した運動伝達指数を用いて,それら3形態に対する特異点への陥り易さを調査した.その結果,外折型は全体的に運動伝達指数が高く安定していること,内折型は特異点に陥りやすいこと,複合型は外折型に比べ運動伝達指数がやや低いものの,外折型より可動範囲が広いことが確認できた.
|