2010 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトと機械の融合を支える相互適応型・運動機能再建システムに関する研究
Project/Area Number |
21760186
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
加藤 龍 電気通信大学, 大学院・情報理工学研究科, 助教 (70516905)
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Keywords | 人・機械系 / 運動機能再建 / 筋電義手 / パワーアシスト装置 / 表面電気刺激 / 個性適応型情報処理 / 生体信号処理 |
Research Abstract |
本研究は,ヒトと機械の融合を支える運動機能再建システムの基礎となる情報処理理論の構築と臨床応用の実施を目的とする.22年度は,計画に基づき下記の3課題について取り組んだ.また,本システム適用対象となる被験者及び計測設備の都合から,止むを得ず研究計画を変更し23年度に予算を繰越して研究を実施した. (1)ヒトの適応に基づく脳の可塑性への対応 ヒトが運動補助具に習熟することで生体の信号特性が変化し,運動意図の推定が不安定となる問題に対して,運動に対する信号パターンの曖昧さを情報エントロピーで定量化し,エントロピー変化に基づき信号-運動間の推定写像をオンラインで変化させる新しい動作推定手法を開発した.これにより,長時間での本システムの安定駆動を可能にした. (2)感覚・筋活動系の不良及び不随意運動系の発生への対応 感覚・筋活動系の異常により運動不全もしくは予期しない運動が発現し通常運動を阻害する問題に対して,4chの小型表面電気刺激装置を開発し,不良となる感覚・筋活動系を外部刺激することで,通常運動へ補正が可能なことを一部の症例(麻痺による足関節の底屈)について示した. (3)個性適応型情報処理装置のモバイル化と臨床応用 本システムを日常生活利用を可能にするため,個性適応型情報処理を搭載した小型コントローラを開発し,無線化を試みた.結果として,生体信号を高速に計測し,高速に処理するマッチ箱サイズのコントローラを実現した.またBluetoothによる通信の無線化を実施し,非拘束でのデータ収集を可能とした.また臨床評価として当初北大病院と連携する予定であったが,測定装置の都合から福井大学医学部との連携に変更し,PETによる脳活動計測を実施しながら本システム(筋電義手,手指パワーアシスト,電気刺激装置)の臨床評価を実施した.適用により1次運動野の賦活領域の変化を確認し,効率的な運動機能再建が可能であることが明らかとなった。
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Research Products
(14 results)