2010 Fiscal Year Annual Research Report
手術ロボットシステムにおけるインピーダンスパラメータの最適安全設計
Project/Area Number |
21760190
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
只野 耕太郎 東京工業大学, 精密工学研究所, 助教 (90523663)
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Keywords | 手術ロボット / 力覚提示 / インピーダンス制御 / バイラテラル制御 / 安全性評価 / 腹腔鏡手術 / 空気圧アクチュエータ |
Research Abstract |
力覚を有する手術ロボットシステムの作業に応じた最適なインピーダンスパラメータを導出すること目指し,以下の成果を得た. 前年度までに開発した空気圧駆動鉗子マニピュレータIBISを動物実験を通じて実用化に向けてさらに改良し,可動領域や力覚感度などを含め全体的な性能を向上させた.改良したマニピュレータIBISを用いて,in vivo実験を実施し,試作したロボットシステムの有効性を確認した. また,マスタ・スレーブシステムの最適な力学的インピーダンスパラメータを探索するために,腹腔鏡手術に熟練した医師のグループとそうでないグループを被験者として,マスタ側のダンピング係数を変えて,ブロックの移し替え作業を行わせた、その結果,最も効率よく作業できるダンピング係数の値が存在することを確認し,この傾向は手術の熟練度に依らず,いずれのグループも同様であることを明らかにした. 一方で,マスタマニピュレータにおいて人間の力学的特性を考慮してダンピング係数を可変とするインピーダンス制御系を提案し,操作性と安定性を両立するシステムを実現した.具体的には,搭載されている力センサの振動振幅から操作者の緊張度を推定し,緊張度が高い場合に高ダンピングになるように設定することで,任意の条件においてシステムの安定性を維持できるシステムを実現した. 本研究は,遠隔操作システムの操作性を人間の特性を含めて考察することにより,今後,作業の効率と安全性の関係を解明し,これらをより高めていくための研究に有用な知見となると考えられる.
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Research Products
(10 results)