2010 Fiscal Year Annual Research Report
テレスコピング・カーボンナノチューブを用いたナノアクチュエータに関する研究
Project/Area Number |
21760193
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
中島 正博 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 助教 (80377837)
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Keywords | カーボンナノチューブ / 電子顕微鏡 / ナノマニピュレーション / ナノアクチュエータ / テレスコピング構造 / ナノ加工 / その場実験 / ナノアセンブリ |
Research Abstract |
本研究では,多層カーボンナノチューブから作製したテレスコピング・カーボンナノチューブナノチューブを用いたナノアクチュエータの実現に向け,これまで構築してきたハイブリッド・マニピュレーションシステムに加熱機構を組み込み,機械的な操作に加え,物理・化学反応を促進させたナノ加工法を新たに確立することを目的とした. 本年度は,テレスコピング・カーボンナノチューブの駆動について検討した.昨年度に提案した,多層カーボンナノチューブを電極に接触させ,接触抵抗を利用して局所的に加熱することで,低電圧でナノチューブの外層を局所的に除去加工する手法を用いた.走査型・透過型電子顕微鏡内でのナノマニピュレーションシステムを統合化したハイブリッド型ナノマニピュレーションシステムにより,走査型電子顕微鏡内でピックアップした単一の多層カーボンナノチューブを透過型電子顕微鏡内に設置し,高分解能観察環境下でテレスコピング・カーボンナノチューブをその場作製した.作製したテレスコピング・カーボンナノチューブの内層コアのみをナノマニピュレータにより駆動させ,引き出し・押し込み動作を高分解能観察した.この結果,内層コアの引き出し距離が長くなった場合,押し込み動作の際にスムーズ(連続的)ではなく,ステップ的に押込まれる様子を確認した.このような現象はこれまで確認されておらず,今後,このようなステッピングモーションを利用することにより,高精度な位置決めを行うテレスコピング・カーボンナノチューブを利用したナノアクチュエータの実現が期待される.
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