2010 Fiscal Year Annual Research Report
ドライバの認知的・身体的特性に基づく間接型運転支援システムに関する研究
Project/Area Number |
21760197
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平岡 敏洋 京都大学, 情報学研究科, 助教 (30311749)
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Keywords | 運転支援 / 動機付け / 知覚特性 / 省燃費運転 |
Research Abstract |
H22年度は,間接型運転支援システム使用時における動機付けを明らかにするというサブテーマを中心に研究を行った.なお,安全運転を促すことを目的とした間接型運転支援システムではなく,省燃費運転を促すことを目的とした間接型運転支援システムを対象とした. 本研究では,1)パーセンタイルスケジュールを用いることで運転者の運転技能に応じた燃費の目標値を提示する,2)1分ごとの燃費を目標値と比較することで効力期待を高める,3)燃費目標値の難易度を運転者自身で設定できる,4)瞬間燃費,1分燃費,目標値といった量的KR(Knowledge of Results)と,通算燃費と過去5分間の目標達成履歴という質的KRの二種類の情報提示を運転者自身で切替えることができる,といった特徴を有する間接型運転支援システムを提案した. このシステムを実装したドライビングシミュレータ実験により,間接型運転支援システム使用時における動機付けならびに運転行動結果に関して以下に示す結果が得られた.A)提案システムの提示によって従来の燃費計だけでは省燃費運転を行わない運転者に対しても省燃費運転が促されうる,B)運転者自身が難易度を選択できる場合には,より難しい難易度設定を好む傾向にある,C)従来の燃費計よりも提案システムの方を活用する,D)目標値を提示することで努力しようという動機付けが生じる,E)一部の運転者は,運転の習熟が進むにつれて量的KR情報の提示から質的KR情報の提示へ移行する,F)難易度設定や表示の切替操作は精神的負担にはならない. 以上より,運転者に難易度や提示する情報の種類を選択可能にするという仕組みが,省燃費運転行動をより促しうることがわかった.この結果は,安全運転を促すことを目的とした間接型運転支援システムに対しても適用できることが期待される.
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