2010 Fiscal Year Annual Research Report
プリント手法を利用した高分子アクチュエータ/センサの開発とその応用
Project/Area Number |
21760204
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
釜道 紀浩 東京電機大学, 未来科学部, 助教 (70435642)
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Keywords | ソフトアクチュエータ / センサ / 高分子アクチュエータ |
Research Abstract |
本研究では、「バッキーゲル素子」と呼ばれる、カーボンナノチューブとイオン液体、高分子材料で構成されるソフトアクチュエータ/センサ素子のプリント手法による作製法について基礎的検討を行った。バッキーゲル素子は、電極/電解質/電極の3層構造をした素子であり、電極層と電解質層の材料を溶媒に分散させたそれぞれの溶液を各層ごとに重ねてフィルム状に成型し、溶媒を乾燥させることで作製できる。この製作過程において、プリント技術を適用することで、通常の手作業では実現が困難な精度で製作することが可能となる。小型素子や複雑な形状の素子、また、電極のパターニングによる新たな機能を持つ素子を作製し、応用の可能性を検証した。 具体的には、ディスペンサ装置を利用し、プリント手法により素子の成型が可能であることを示し、電極形状を任意にパターニングできることが確認した。ノズル径の大きな塗布装置においては、材料の選択、塗布条件の調整を行うことで、安定して塗布可能なことが確認できた。実際に、3次元的な電極を成型することができ、プリント手法の有用性が示された。インクジェットプリントのように、ノズル径が小さなシステムで塗布する場合には、現状では目詰まりが問題となっている。カーボンナノチューブを含む電極層溶液の粒径が大きくなるためであり、インクジェットプリント装置を用いて、安定的に塗布するためには、材料の選定を含めて、さらなる検討が必要である。
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