2009 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟体の変形を積極的に利用する移動機構の巧みさの解明
Project/Area Number |
21760210
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
柴田 瑞穂 Ritsumeikan University, 理工学部, 助教 (70454519)
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Keywords | 知能ロボティクス / 知能機械 |
Research Abstract |
平成21年度の目標は,テンセグリティ構造体による外殻変形を利用した転がりの実現および静力学的な解析手法を確立することである.また,解析結果から,外殻変形を利用する移動機構の移動戦略についての知見を得る.そのために以下の課題を遂行した. ・テンセグリティ構造体の外殻変形による転がりの実験的検討 ・テンセグリティ構造体の外殻変形による移動形態の分類 ・テンセグリティ構造体の転がりに対する静力学的解析 圧縮材を6本有するテンセグリティ構造体は,圧縮材と接地面の関係から,2種類の接地状態に分類可能である.テンセグリティ構造体を多面体構造に見立てて,接地面を分類することを試みた.結晶学の知見に基づき,テンセグリティ構造体の接地状態をミラー指数で表現した.この分類は多面体移動ロボットの移動遷移の表現に使用できることが示唆された.分類した移動形態に基づいて,それぞれの移動遷移のしやすさをロボット全体の重力ポテンシャルエネルギーの推移から評価した.準正多面体構造などある種のテンセグリティ構造体では,他の接地面に比べて重力ポテンシャルの低い接地面が存在することが明らかになった.この事実は,転がり移動の際に,ポテンシャルの低い面で静止しやすいことを示唆している.したがって,移動ロボットの外殻の構造自体が移動戦略の決定に寄与すると考えられる.実機製作では,圧縮材6本を有する正二十面型テンセグリティ移動ロボットおよび圧縮材を12本有する準正多面型テンセグリティ移動ロボットを製作し,それぞれの構造体にて転がり移動が可能であることを実証している.
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