2010 Fiscal Year Annual Research Report
柔軟体の変形を積極的に利用する移動機構の巧みさの解明
Project/Area Number |
21760210
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Research Institution | Ritsumeikan University |
Principal Investigator |
柴田 瑞穂 立命館大学, 理工学部, 助教 (70454519)
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Keywords | 知能ロボティクス / 知能機械 |
Research Abstract |
平成22年度以降の目標は,外殻変形を利用する移動機構の変形方法についての知見を得ることである.テンセグリティ構造体は複数の部材から構成されるため,種々の変形方法およびアクチュエータの配置方法が考えられる.ここでは,実験およびシミュレーションを通して,知見を得る.そのために以下の課題を遂行した. ・アクチュエータ/張力材一体型テンセグリティ構造体の実現 ・動的運動のシミュレーションの実現 前年度までに,テンセグリティ構造にアクチュエータを付加することで,外殻変形による転がり運動を実現した.テンセグリティ構造を多面体とみなすと,このアクチュエータを付加する方法を用いる場合,多面体の隣り合わない頂点間の距離を変化させることができる.したがって,比較的容易に大きな外殻変形を実現することができる.しかしながら,アクチュエータの配置が複雑になる,ロボットの内部が利用しづらいなどの問題がある.そこで本年度は,張力材そのものをアクチュエータとしたテンセグリティ構造を実現することを試みた.この方法では,多面体の隣り合う頂点間の距離を変化させることになる.アクチュエータとして収縮率約20%の空気圧人工筋を使用した.このアクチュエータ/張力材一体型テンセグリティ構造が外殻変形を利用して連続的な転がり運動を実現することを実験的に確認した.また,この実機の全高は約600mmである.この大きさは前年度作成した実機に比べて約4倍程度大きい.この事実は,テンセグリティ構造が,圧縮材と張力材が分離しているために,全体の剛性を維持しながら比較的容易に外殻のサイズを変更できることを示唆している.シミュレーションでは三次元動力学エンジンを用いて,正多面型テンセグリティが表現できることを実証している.
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