Research Abstract |
近年,地球環境問題の深刻化や化石燃料枯渇への懸念から,クリーンで高効率な自動車として電気自動車の普及が求められているが,その多くは希土類等の希少資源を使用した磁石モータを用いており,資源に対する将来への不安は小さくなく,それによる高コストは電気自動車の普及を阻害する。また,磁石モータは無通電時でも磁束を生ずるその特性から,必ずしも自動車用モータとして最適とは言い難い。スイッチトリラクタンスモータ(SRモーター)は,磁石を持たず,また,構造が単純で堅牢,安価,悪環境下で運転可能,高効率などの特徴があり,電気自動車への応用が期待される。しかし,トルクリプル,回転子位置検出が必要などの欠点も有する。そこで,本研究では,これらの二つの欠点を解消すべく,SRM自動車のセンサレス高精度トルク制御の実現を目的とした。 平成21年度においては,シミュレーションと小型モータを用いた実験により基本的なアルゴリズムの考案と検証を行い,以下のような成果を得た。 1.計算機シミュレーションによりアルゴリズムの開発と検証を行い,提案センサレス制御法の有用性を確認した。 2.小型モータを用いた実証実験を行い,提案センサレス制御手法によって,簡便なアルゴリズムでセンサレス,かつトルクリプルの小さい高精度なトルク制御が実現できることを確認した。 以上により,本年度の研究目標を十分に達成したほか,来年度の研究に対する準備も進めることができと考える。
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