Research Abstract |
近年,地球環境問題の深刻化や化石燃料枯渇への懸念から,クリーンで高効率な自動車として電気自動車の普及が求められているが,その多くは希土類等の希少資源を使用した磁石モータを用いており,資源に対する将来への不安は小さくなく,それによる高コストは電気自動車の普及を阻害する。また,磁石モータは無通電時でも磁束を生ずるその特性から,必ずしも自動車用モータとして最適とは言い難い。スイッチトリラクタンスモータ(SRM)は,磁石を持たず,また,構造が単純で堅牢,安価,悪環境下で運転可能,高効率などの特徴があり,電気自動車への応用が期待される。しかし,トルクリプル,回転子位置検出が必要などの欠点も有する。そこで,本研究では,これらの二つの欠点を解消すべく,SRM自動車のセンサレス高精度トルク制御の実現を目的とした。 平成22年度においては,前年度の研究において,小型モータを用いて明らかしたセンサレス高精度トルク制御法を,電気自動車への適用するため,シミュレーションおよび電気自動車用制御回路の開発を行い,以下のような成果を得た。 1.計算機シミュレーションにより電気自動車用SRモータへの適用性を確認した.また,その場合の最適パラメータをシミュレーションにより明らかにした. 2.シミュレーション結果に基づき.電気自動車用SRモータの制御回路の開発を行った.実走行試験により,その基本動作を確認した. 以上により,本年度の研究目標を十分に達成した.
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