2010 Fiscal Year Annual Research Report
小規模分散型電力供給システムオンライン監視に基づく協調運用制御
Project/Area Number |
21760217
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
渡邊 政幸 九州工業大学, 工学研究院, 准教授 (90398115)
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Keywords | 電力系統 / 系統監視 / 位相計測 / 安定度 / 系統制御 / 自家用発電設備 |
Research Abstract |
自家用発電設備を有する大口需要家では,発電機一機あたりに要求される信頼性が高く,さらに熱電併給の負担も大きいことから運用を難しくしている。本研究では,このような小規模電力供給システムにおける信頼性向上のため,オンライン監視に基づく系統状態推定および制御手法について検討した。監視情報を利用することで,負荷変動等による需給バランスの変化といった不確定性を適切に把握でき,適切かつ柔軟な対処が期待できる。一方,系統故障のような擾乱時における供給信頼性の確保のためには十分な余力を持った状態での運用が求められ,電力系統解析を用いた事前検討が有効であるが,その精度向上により高度化が期待できる。今年度においては,系統動揺抽出,系統安定度推定,および発電機制御系設計手法の構築について,以下の項目について検討を実施した。 1.観測情報に基づく発電機制御系調整手法の検討 発電設備に附随する励磁制御装置に着目して,監視結果に基づく調整方法を検討した。位相計測による状態推定に基づく制御系調整方法について,計算機上での系統シミュレーションを用いて実施した。系統構成の変化や不確定性,状態推定における誤差を補償するためにロバスト性を考慮した制御系調整方法を検討した。監視情報からシステムの特徴を抽出して表現した推定モデルに基づいて制御系調整を行うことで系統状態に合致した効果的な制御系を構成できることを明らかにした。 2.計測データを利用した系統解析の精度向上に関する検討 電力系統シミュレーションにおける実現象の模擬において,定常時に観測される微小変動の模擬方法について検討した。システム全体の特性を大きく変化させることなく,定常的な動揺を発生させる方法について観測情報の処理結果と照らし合わせながら,シミュレーション条件の見直しを実施して系統解析の有用性を高めた。
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Research Products
(6 results)