2009 Fiscal Year Annual Research Report
微小触覚情報記録のためのマイクロハプティクス技術の開発研究
Project/Area Number |
21760218
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
下野 誠通 Yokohama National University, 工学研究院, 助教 (90513292)
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Keywords | ハプティクス / モーションコントロール / 触覚伝達 / バイラテラル制御 / 可変伝達率 / マスタ・スレーブシステム / 電気機器工学 / 制御工学 |
Research Abstract |
本研究は実世界微小触覚情報の変換・伝達・記録に関するマイクロハプティクス技術の開発を目的としており、平成21年度では主に次のような研究実績を得た。 1. 高い触覚伝達特性を有したマイクロハプティックシステムの機構設計と試作機の開発を、研究協力者からの協力を得て行った。ハプティックシステム内の摩擦やギアの介在および機構の遊び等といった機械的要因が、触覚伝達特性を劣化させることがこれまでの研究より明らかになっているため、本試作機ではアクチュエーション部にシャフトモータと低摩擦のリニアスライドを採用し、力信号の測定にはカセンサを用いず外乱オブザーバによる広帯域な力センサレス制御を実装した。また、0.1[μm]という高い空間分解能を持つ光学式エンコーダを実装することで、高精度制御が可能なシステムを構築した。本年度は開発したマイクロハプティックシステム試作機を駆動する制御装置も併せて新たに製作し、RTAI上で時間分解能0.1[ms]の実時間制御実験を行うことで、試作機の運動制御性能の評価を行った。 2. 触覚伝達特性に対する評価指標を新たに定義することで、可変伝達率を考慮した新しい双方向制御手法を提案した。特に、加速度次元情報のフィードバックループを新たに付加することで、可変伝達率を実装した場合においての触覚伝達特性が向上する可能性があることを理論的に示した。また、上記試作機を用いた検証実験により有効性を確認した。 平成21年度では、これらの研究成果を国内会議および国際会議において発表することにより、社会に対しての成果還元を行った。
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