2009 Fiscal Year Annual Research Report
高度先進ガン治療装置のための複合磁場型超伝導マグネットの実証的開発研究
Project/Area Number |
21760224
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Research Institution | National Institute for Fusion Science |
Principal Investigator |
尾花 哲浩 National Institute for Fusion Science, 核融合科学研究所・大型ヘリカル研究部, 助教 (60435518)
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Keywords | 超伝導コイル / 最適化設計 / コイル設計 / cosθ型電流分布 |
Research Abstract |
平成21年度は、下記の2つの課題に取り組んだ。 ■ 課題(1)『ガントリー用超伝導コイルの最適化形状設計コード開発』 粒子ビームを患者のがん細胞に向けて照射するために、粒子ビームを偏向させて、更に、安定したビーム輸送を可能にする装置『ガントリー』の小型化・軽量化を実現する"ガントリーの超伝導化"を行うためには、ガントリー用超伝導コイルの最適化設計コードが不可欠である。そこで、各多極成分(2極成分,4極成分,6極成分,…,2n極成分)に対応する様々なcos(nθ)型電流分布を重ね合わせることで、複数のコイルを使用せず、たった1つのコイルのみで、ガントリーに必要な磁場分布を実現できるコイル設計手法を取り入れた設計コードを開発することに成功した。本成果は、2010年度春季低温工学・超伝導工学会にて発表する。 ■ 課題(2)『超伝導コイルの試作』 超伝導コイルの巻線作業を行う際に使用するコイル巻線機の製作精度の検証し、更に、コイル巻線での樹脂含浸技術の構築のために、課題(1)で開発した超伝導コイル設計コードを用いて設計した超伝導コイルを試作した。試作した超伝導コイルの詳細は、以下の通りである。コイル内径が150mm、コイル長が810mm、ターン数が234、コイル層数が2、使用したNbTi超伝導線の径が1mmである。また、試作した超伝導コイルは、磁場測定した場合に、設計値と比較し易いように、2極磁場を発生する直線型コイル形状である。試作した超伝導コイルは、平成22年度に磁場測定を行い、その測定結果を設計値と比較して、コイルの製作精度の評価を実施する。
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