2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760241
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
色川 芳宏 独立行政法人物質・材料研究機構, 半導体材料センター, 主任研究員 (90394832)
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Keywords | 窒化物半導体 / ヘテロ接合 / AlGaN/GaN |
Research Abstract |
超低損失パワー素子の実現およびそれに付随する半導体物理の体系化を目標に、窒化物半導体材料の作製および評価を行うと同時に、デバイス作製およびその特性評価を並行して行った。得られた成果は主に以下の2点である。(1)前年度に確立した光容量分光法(DLOS法)を用いてAlGaN/GaNヘテロ接合界面に存在する欠陥とデバイス特性との相関を求めた。その結果、コラプスと呼ばれ現在問題になっているスイッチング素子の異常動作とDLOS法によって検出されたAlGaN/GaNヘテロ接合界面の特有の欠陥準位に相関があることが明らかになった。これらの欠陥準位は、窒化物半導体材料(特に界面近傍に存在する)Ga空孔とC混入に起因すると予想される。(2)窒化物半導体デバイスの信頼性の観点から、デバイス雰囲気中に存在する水素が素子特性の変化に及ぼす影響を調べた。その結果、デバイスと水素が相互作用する際に、電極金属/半導体界面の状態が大きな役割を果たすことが明らかになった。具体的には、電極金属/半導体界面にSiO_2を挿入した場合は相互作用が強くなる結果、素子の特性変化が大きくなり、反対にSiN_xを挿入した場合は素子の特性変化が消失する。この現象の具体的なメカニズムは不明であるが、MOS型の素子を実用化する上では、信頼性の観点から雰囲気ガスとデバイスとの相互作用に関する知見を得ることは重要であり、今後の研究が期待される。
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Research Products
(3 results)