2009 Fiscal Year Annual Research Report
次世代超高密度記録デバイスのための非線形誘電率顕微鏡による強誘電体薄膜のナノ計測
Project/Area Number |
21760245
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平永 良臣 Tohoku University, 電気通信研究所, 助教 (70436161)
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Keywords | 走査プローブ顕微鏡 / データストレージ / 誘電体物性 |
Research Abstract |
高密度記録応用に適した強誘電体薄膜作製に関する基礎的知見を得ることを目的とし,強誘電体薄膜におけるナノスケール分極反転に関する研究を行い,下記に示す成果を得た. (1)LiTaO_3薄膜におけるナノスケール分極反転 MOCVD法により作製したLiTaO_3エピタキシャルル薄膜上にSNDM強誘電体ドメインエンジニアリングシステムを用いて微小分極反転ドメインを生成し,印加パルス電圧と分極反転ドットサイズの関係を明らかにした.その結果,直径20nm程度の微小な分極反転ドットが人工的に生成可能であることが分かった.また,多数の分極反転ドットからなる最密格子パターンの書き込みを行い,最高で1.6Tbit/inch^2の記録密度における書き込みに成功した. これまでの強誘電体記録に関する基礎研究で用いられてきた単結晶記録媒体は,大面積で均一な厚さを有する媒体を安価かつ大量に生産することが困難とされてきたが,本研究成果は生産性の面においてより実用化に近い薄膜記録媒体において,磁気記録方式をはじめとする現行の他の記録方式を凌駕する記録密度を実現できたことを意味している. (2)間欠接触SNDMの開発とこれを用いた薄膜計測 測定を繰り返すことによって探針先端の摩耗が生じるといった,従来の接触式のSNDMが有していた問題点を打開する新たな測定法として,間欠接触SNDM法を開発した.間欠接触SNDM法を用いることにより測定再現性が従来法に比べ格段に向上することを実証した.このことにより,強誘電体薄膜の特性評価において,従来よりも信頼性の高い分析を行うことが可能となった.
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