2009 Fiscal Year Annual Research Report
超低損失ミリ波帯フィルタ実現のための構成要素技術の研究開発
Project/Area Number |
21760248
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
清水 隆志 Utsunomiya University, 工学研究科, 助教 (80500397)
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Keywords | 遮断円筒導波管法 / WGモード誘電体共振器法 / 複素誘電率測定 / 表面抵抗測定 / 低損失誘電体材料 / 超電導体 / 低損失フィルタ / ミリ波 |
Research Abstract |
本研究により得られた今年度の成果を以下にまとめる。(1)研究代表者らが開発した遮断円筒導波管法、WGモード誘電体共振器法によりPTFE,サファイアおよび各種ミリ波回路基板の複素誘電率測定を行い、その特性を明らかにした。その結果をもとに、30-75GHz帯における材料定数データベースを作成した。(2)同一測定試料を測定することにより、遮断円筒導波管法とWGモード誘電体共振器法の測定結果が一致することを見出し、両測定法による測定結果の信頼性を向上させた。(3)2サファイア誘電体共振器法を用いた20,30GHz帯における導体・超電導体の表面抵抗測定系(常温および液体窒素温度下)を構築した。また同帯域における銅導体の表面抵抗評価を行い、その特性を明らかにした。一方、液体窒素温度下による測定系では、試作した超電導体BSCCOバルクの一部しか超電導性を示さなかったため、その測定が行えなかった。引き続き、測定系の改良を行い、その評価を行う。(4)(1)-(3)の測定結果に基づき、ミリ波超電導共振器の構成要棄として、基板材料としてサファイア、超電導体材料としてYBCOを選択した。(5)2種類のコプレーナ線路構造ミリ波超電導共振器に関して、3次元電磁界シミュレータにより共振周波数および無負荷Qの観点から検討を行った。その結果、低温条件下にてQ値が15,000@30GHzを有するミリ波超電導高Q共振器の構造を見出した。超低損失ミリ波平面フィルタ設計のための基盤を整えることができたため、今後も継続して本研究課題に取り組む予定である。
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