2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760255
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
山梨 裕希 Yokohama National University, 学際プロジェクト研究センター, 特任教員(助教) (70467059)
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Keywords | ジョセフソン接合 / 超伝導回路 / 組み合わせ論理回路 / 集積回路 |
Research Abstract |
本研究では、組み合わせ論理回路となる超伝導回路を実現することにより、既存の半導体集積回路の設計法を用いて、高速かつ低消費電力動作が可能な回路を実現できるようにすることを目的とした。今年度は基本論理ゲートの実現と、超伝導単一磁束量子(SFQ)回路とのインターフェース回路の研究を行った。 基本論理ゲートの検討では、回路パラメータと、ゲートの入出力特性の関係を詳細に調べ、それぞれのゲートごとに最適な回路パラメータの選択を行った。最適化の結果、論理ゲートの出力がその時点の入力だけで決まる組み合わせ論理回路が実現できることを回路シミュレーションで確認した。熱雑音に対する耐性を上げる回路構成の検討を同時に行っている。 超伝導単一磁束量子(SFQ)回路と超伝導組み合わせ論理回路の間の信号伝達を行う入力/出力インターフェース回路の設計では、両回路を磁気的に結合させることにより、信号の伝搬が可能であることを回路シミュレーションにおいて確認した。この提案回路において重要な、磁気結合定数を測定により求め、回路設計にフィードバックさせた。現在信号伝達のスループットをあげるための回路構成の再検討を行っている。 最適化した回路パラメータに基づいて基本回路を設計、試作し、その入出力測定した結果、回路シミュレーション結果とほぼ同様な振る舞いを示すことを確認した。これにより、本研究で提案した回路構成を用いて、超伝導組み合わせ論理回路を実現できることを示した。
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