2010 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21760255
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
山梨 裕希 横浜国立大学, 学際プロジェクト研究センター, 特任教員(助教) (70467059)
|
Keywords | ジョセブソン接合 / 単一磁束量子回路 / 磁束量子パラメトロン / SQUID / 組み合わせ論理回路 |
Research Abstract |
本研究は新しい超伝導回路を提案し、半導体集積回路と同様な組み合わせ論理回路を実現することを目指した。半導体回路の設計法、設計ツールを用いた超伝導回路設計を可能にし、超伝導回路の詳細を知らない設計者でも超高連回路を容易に設計できるようにすることを目的とした。 提案した超伝導組み合わせ論理回路は超伝導ジョセブソン接合を1個含むSQUIDを2個組み合わせた構造で実現される。この回路中の超伝導ループに磁束量子の半分の磁束を印加すると、ループに磁束量子が一つ取り込まれ、出力電流が得られる素子である。磁束量子パラメトロンに磁束量子の半分付近の磁場を印加おき、2つの信号入力によって磁束量子の半分以上磁束が印加されるようにパラメータを設定しておくと、2入力の基本論理ゲートが実現できる。 提案した構造を持つ超伝導組み合わせ論理回路により、基本論理ゲートであるAND、OR、NOT回路を実現可能であることを示した。各ゲートの遅延時間はそれらの回路を接続することによって、任意の機能を持った論理ゲートを設計、作成できることを実証した。それらの回路パラメータのずれに対する耐性、入力電流および電源電圧に対する動作マージンを測定したところ、実用に耐えうる十分広いマージンを得られることがわかった。本回路はバイアス電流供給のためにチップ上に作成されるバイアス抵抗が必要なく、他の超伝導回路に比べて消費電力もはるかに低くなることもわかった。
|