2009 Fiscal Year Annual Research Report
電波ばく露による人体全身平均SARの簡易評価手法の構築
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21760257
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
平田 晃正 Nagoya Institute of Technology, 大学院・工学研究科, 准教授 (00335374)
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Keywords | マイクロ波ばく露 / 比吸収率(SAR) / 大規模電磁界解析 / 共振周波数 / 吸収電力の推定 |
Research Abstract |
電波を人体に照射した場合の電力吸収量を決定づける要因として、共振周波数帯およびGHz帯において、それぞれ、組織の電気定数、体表面積との推察があった。ここで、周波数帯により、人体電磁吸収分布は全く異なることが示されていた。上記の推察を定量的に確認するために、日本人、特に子供モデルに対して検討を行い、成人でも子供においても電力吸収を決定付ける要因は変化せず、周波数帯による影響が支配的であることを数値実験により示した。また、共振周波数帯における人体吸収機構は、ダイポールアンテナとの類似性より決定づけられるとした論文もあるが、その理論が適用できるのであれば、与えられた身長に対して全身平均SARが最大となる周波数、つまり共振周波数は一義的に定義できるはずであるが、実際は異なる。これは人体の形状によるものと考えられる。そこで、既存の日本人モデルを縮小あるいは拡大することにより、複数のモデルを作成し、そのモデルに対して上記のアンテナ理論の適用性について議論するとともに、決定要因の特定を行った。得られた知見を基に、共振周波数帯においてはアンテナ理論を基に人体の身長および体重をパラメータとして、全身平均SARを適用する方法について提案した。なお、この提案に基づき、人体がアンテナとみなすことができれば、人体に吸収される電力は身長によりほぼ見積もれることを示した。特に、その推定法とFDTD解析により得られた値を対比することにより妥当性と不確実性について明らかにした。
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