2011 Fiscal Year Annual Research Report
ポリイミドへの直接無電解めっき法を用いた高速FPCの作製と評価
Project/Area Number |
21760260
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
池田 晃裕 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助教 (60315124)
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Keywords | バンドパスフィルタ / フィルム直接めっき / プラズマ改質 / PEN |
Research Abstract |
昨年度は,樹脂フィルムの材料をポリイミドからPENへと発展させて,PENへのプラズマ改質を用いた無電解銅めっき技術を開発した.本年度は,そのPENへの無電解銅めっき技術を用いて,アプリケーションの一例として,5GHz帯域用のフレキシブルバンドパスフィルタを作製・評価した. バンドパスフィルタは,1/4波長共振器2つを磁気結合を用いて結合した構成となっており,容量結合により共振器と信号線を結合した.通過帯域はIEEE 802.11aに対応する5.15GHz~5.725GHzとした.高周波電磁界シミュレータを用いて,所望の通過帯域をもつフィルタのレイアウト設計を行った. バンドパスフィルタの作製は,PENフィルムのプラズマ改質とシランカップリング処理によりフィルム上に無電解銅めっきを行い,それをシード層として電解銅めっきを行い,最後にウエットエッチングで配線パターンを形成した.銅配線の厚さは5umである.従来の銅箔ラミネート法に比べて,界面や表面のラフネスの小さな配線を形成出来るので,高周波における表面ラフネスに起因する導体損失を低減出来る.配線形成後に測定した配線界面のラフネスは33nmと非常に小さく,プラズマ改質によるPENフィルムのラフネス増加はほとんど見られなかった. 作製したフィルタの伝送特性をネットワークアナライザを用いて測定を行った.フィルタを通過した伝送信号のS21特性は,5.34GHzにピークを持ち,ピーク周波数での信号減衰は-1.99dBであった,また-3dbの位置で定義した帯域幅は,4.99GHz~5.75GHzであった.ピーク周波数での信号減衰が,シミュレーションよりも若干多いものの,ほぼ所望の帯域をもつフィルタを作製できた.
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Research Products
(4 results)